バイトしてる学生必見!バイトの税金に関する重要な8つの知識

バイトで沢山稼げると嬉しいものですが、税金のことが気になりますよね。バイト代から税金が引かれていて、手取りが少なく感じたことはないでしょうか?

「税金のことは難しくて、よくわからないな…」

「どのぐらい稼ぐのがベストなんだろう…?」

「稼ぎすぎると逆に損って聞いたけど、ホント!?」

など、税金のことがよくわからなくて、不安に思うこともあるでしょう。この記事では、バイトに関して知っておくべき税金などのポイントを解説していきます。

目次

親の扶養に入っていれば、世帯として税金や保険料を優遇されている

バイトの税金について考える前提として、まずは「扶養」の意味を知っておく必要があります!バイトをしていない、あるいはバイトをしていても収入が少額であれば、生活において「親から扶養されている」状態となります。この時、親に対して「扶養控除」として38万円〜63万円の所得税控除が適用され、税負担が優遇されます。

また、扶養されるあなたの健康保険料が無料になっています。例え親元を離れて下宿していたとしても、仕送りなどの形で親に生活を支えてもらっているのであれば、「生計をともにしている」扶養となります。

では、なぜこの扶養という制度がバイトの税金と関わってくるか、気になりますよね?実はバイトで稼ぐ金額が多くなってくると、親の扶養家族から外れてしまって、親の税金負担が重くなるという事情があるのです。

年収が約100万円を超えると、住民税の負担が生じる

まず、バイトで稼ぐ金額が多くなってきたときに最初に気を付けるべき税金は、住民税です!住民税とは、自分が住んでいる地域に払う税金のことです。いくらの収入から住民税がかかるのかは地域によって異なるので、正確な金額は地域の役所のサイトなどで確認するようにして下さい。

ただ一般的には、100万円を超える収入があれば住民税の支払い義務が発生するイメージになります。実際にどのくらいの住民税がかかるかは所得や地域によって異なりますが、年収100万円前後であれば5千円〜1万円程度の見込みになります。

会社としては、アルバイトでも正社員と同じく住民税を毎月の給与から天引きする義務がありますので、給与明細をよく確認してみてください。

ただ、年収100万円程度であれば、住民税は金額としてはそこまで負担に感じるほどではないですよ。

年収が103万円を超えると、所得税も支払わなければならない

103万円までの収入は所得税の計算対象から控除されるので、収入が103万円を超えた分に対して所得税がかかるということになります。月の収入が8万8千円を超えると、源泉徴収という形で給料から税額分が引かれます!税率は195万円以下であれば5%で、195万円を超えると10%になります。

また親の扶養から外れるので、親が扶養者控除を受けられなくなります。つまり親の手取りが減ることになりますので、この点については親と相談しておくと良いでしょう。

所得税も住民税と同じように、収入が103万円を少し超える程度であればそこまで負担に感じるほどではないので、親の負担がどの程度大きくなるかがポイントになります。また、バイトを掛け持ちしているのであれば、全ての収入の合算額に対して計算される点に注意しましょう。

年収が130万円を超えると、社会保険料の支払い義務も生じる

年収が130万円を超えると、親の社会保険の扶養も外れてしまいます。つまり、自分で健康保険料などの社会保険料を支払わなければならくなるのです。健康保険料などを自分で支払うとなると、稼いでいる金額にもよりますが、イメージとしては月々に5千円程度以上の負担となってしまいます!住民税なども考慮すると、バイト収入は増えても世帯としての手取りは逆に少なくなってしまうことになりますよね。130万円以上稼いでも問題ないかどうか、親と相談してみるようにしましょう。

多くの場合、130万円を10〜20万円超える水準の収入であれば、社会保険料の負担によって、逆に損をしてしまう状況になります。なので、基本的にはバイトを頑張ったとしても、年収は130万円以下に抑えておくようにしたいですよね。

厚生年金の制度内容と、加入するメリットとは?

バイトをしているかどうかに関わらず、国民年金には加入していますよね。この国民年金に加え、バイトでの稼ぎが増えてくると、条件を満たせば厚生年金に加入することができます。厚生年金に加入すると保険料を支払うので負担は増えますが、その分、将来において受け取れる金額が大きくなるのです。

ただし、バイトとして厚生年金に加入する際にはいくつか条件があるので、注意が必要です。ここでは、厚生年金の制度内容と、加入するメリットについて解説します。

厚生年金とは、国民年金に上乗せされる「二階部分」の年金のこと

厚生年金とは、収入に比例して保険料が高くなっていく年金で、老後に備える目的でつくられた制度です。もともと国民年金は皆が支払っていますが、その国民年金に上乗せされる形で受け取れるので「二階部分」の年金になります(「一階部分」は国民年金)。

また厚生年金は老後の病気に対しての保証や、被保険者が亡くなった際に、その遺族を保証することも目的としています。バイトでも加入することはできますが、基本的にはサラリーマンや公務員などが加入することを主としています。

所得税などと同じように、厚生年金の保険料も給料から天引きされる形になります。保険料率は18.3%で固定されており、負担額は「標準報酬月額×18.3%」の計算の上で、会社と折半になります。イメージとしては、月収10万円程度であれば、9千円程度支払う形になるでしょう。

一般の学生は厚生年金には加入できないなど、加入条件には注意

厚生年金に加入するには以下の条件をすべて満たす必要があり、一般の学生は加入できないので注意が必要です。

  • 労働時間が週20時間以上になること
  • 給料の月額が8万8千円(年収106万円)以上であること
  • 働いている会社の従業員が501人以上であること
  • 1年以上働く見込みであること
  • 学生ではないこと

ただし、夜間の学生や、定時制の学生であれば厚生年金への加入は認められます。厚生年金の加入条件については法改正により平成28年10月1日以降は上記の形になっていますので、それ以前の条件と間違えないよう、注意が必要です。一般の学生は加入することができませんが、大学を卒業して働きだすようになれば加入することになり、老後に備えることができますので、その点は安心して下さいね。

保険料が会社と折半になる上、将来の保証が手厚くなるメリットがある

厚生年金の保険料の支払いは会社との折半になるので、半額のみの負担でよい形になります。会社が半分負担してくれるということなので、この点はメリットですよね!また、厚生年金では将来において老齢年金や遺族年金、障害年金という形で手厚い保証を受けられる点もメリットになります。国民年金だけでは老後の支給が限定的になってしまいますが、厚生年金の保険料を多く払っていれば、それだけ後から多くの支給を受けることができます。

日本は今「高齢化社会」の状況にあり、老後の生活に対する不安は増している状況にありますので、サラリーマンなどの多くは厚生年金を支払うことによって老後に備えているという現状です。また、国民年金は一定の条件で支給が停止されますが、厚生年金は終身支給となる点も、老後リスクを軽減できるメリットとなります。

税金を払い過ぎた分の金額は、年末調整で戻ってくる

バイト先に在籍している状態で12月になると、年末調整が行われます。月収が8万8千円以上の月は自動的に所得税が給与から天引きされていましたが、年内の収入を計算してみて103万円以下であれば所得税を払う必要はありませんので、「過払い」となり年末調整でお金が戻ってきます!つまり、バイト代から源泉徴収で引かれていた税金のうち、払い過ぎていた分が戻ってくるということです。年末調整は会社が行う形になるので、バイト先からの指示に従い、手続きを進めましょう。

払い過ぎていた分が戻ってくる場合は、12月の給料に加算されて受け取れるという形になります。また、年末の前にバイトを辞めてしまった場合は、会社は年末調整をしてくれないので自分で確定申告をする必要がありますので、ご注意ください。

年内に複数のバイトをした場合、それぞれの源泉徴収票を必ずもらおう

年末調整ができるのは、バイト先が一か所だけであった場合です。バイトを掛け持ちしていたり、年内に何度かバイト先を変わっている場合などは、自分で確定申告をしなければなりません。そのため、それぞれのバイト先で源泉徴収票を貰うようにしましょう。

源泉徴収票とは、1年間に貰った給料の総額や、支払った所得税の総額などが記入されており、確定申告をする際の必要資料となるものです。バイトを辞めた際に、会社側は源泉徴収票を渡す義務があるので、もし貰っていなければ違反なので税務署に相談しましょう。

紛失した場合は、再発行が必要です!再発行の際には以前のバイト先の会社に再発行の依頼をしましょう。もし再発行に応じてくれなかったとしたら違反になるので、税務署に相談すれば対応してくれるでしょう。

年末に確定申告をする場合に、自分がやるべきこととは?

毎年2〜3月になると、ニュースなどでも確定申告について話題になりますよね。確定申告をする場合は、書類の準備から提出まですべて自分で行う必要があります。法的な手続きに慣れていないのであれば、きちんと手続きをできるか不安に思ってしまいますよね?しかし、必要な準備をした上で、税務署の指示に従って進めていけば手続きを完了させることはできますので、安心して下さいね。ここでは、確定申告において実際にやるべきことを解説していきます。

まずは源泉徴収票などの必要書類を準備しよう

確定申告に必要となるものを準備するところから始めます。まず、年内にバイトをした会社から貰った源泉徴収票が必要になりますので、もしなければ会社に発行を請求しましょう。前述の通り、会社には源泉徴収票を発行する義務がありますので、退職時のトラブル等で発行してもらえない場合はすぐに税務署に相談して下さい!もし自分が専修学校や職業訓練学校に所属していた場合は、控除を受けるために控除証明書が必要ですので、事前に学校の事務に相談しておくようにして下さい。

また、銀行の通帳とはんこも必要になりますので、用意するようにしましょう。もし社会保険料控除証明書を持っているのであれば、それも必要になりますので準備しておいてください。

確定申込書を国税庁サイトなどで入手し、必要事項を記入しよう

確定申告は「確定申込書」によって行うことになりますので、国税庁のサイトからダウンロードするか、所轄の税務署に行って用紙を貰ってください。確定申込書は基本は手書きにて記入しますが、自宅にPCとプリンターがあるのであれば国税庁のサイトの「確定申告書等作成コーナー」のページで、ネット上で記入して印刷することもできます。手書きと比較して、ネット上で記入するほうが書き間違いなどがなくて済みますので、可能であれば利用をおすすめします。

「税務署まで用紙を貰いに行って、その場で記入する」という方法もありますが、確定申告のタイミングは税務署が混雑していて動きにくい思いをすることになるので、できれば事前に作成しておくのがベターです。

税務署に確定申込書を郵送、または持参により提出しよう

確定申込書を記入し終えたら、税務署に提出をして確定申告は完了となります。申し込み期間は2月中旬〜3月中旬になりますが、正確な日程は税務署のサイトなどで確認しておくようにしましょう。ただ、万が一期限を少し過ぎてしまったとしても受け付けてくれますので、焦りすぎる必要はないでしょう。

提出については、税務署に直接行って提出するほか、郵送でもOKです。インターネットで提出する方法もありますが、こちらは少し条件が複雑になってしまうので、税務署に出向くか郵送で出すのがおすすめです。

また、確定申込書を提出する際、源泉徴収票の原本と、(所持していれば)各種控除証明書をあわせて提出する必要がありますので、忘れないようにしましょう。確定申告が完了してから1カ月程度経てば、税金を払い過ぎていた場合は還付金が振り込まれます!

まとめ

バイトに関して知っておくべき税金などのポイントを解説してきました。まず、バイトの税負担を考えるには「親の扶養から外れる」ことが大きなポイントとなります。年収が約100万円を超えると住民税、103万円を超えると所得税、また130万円を超えると社会保険料という流れで、段階的に負担が大きくなっていきます。多くの場合では130万円以上稼いでしまうと逆に損になるので、収入は130万円(または103万円)以下になるよう調整するのがベターです。

厚生年金に加入すると将来の給付額などの面でメリットがありますが、一般の学生は加入できない点に注意しましょう。税金を払い過ぎた分の金額は年末調整で戻ってきますが、バイトを掛け持ちしているなどの場合は自分で確定申告をする必要があります。確定申告の際には源泉徴収票が重要になりますので、その他の必要書類等とあわせてしっかり準備するようにしましょう。

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